「白にも黒にもなれないって有明は言うけど、どちらかにはっきりと染まってる人間なんていない。みんな白と黒が混じった汚い色だから。みんな中途半端。俺も、有明も、奏人も、宮田達も。」
どうして凪原のくれる言葉はこんなにも私の心に素直に入ってくるんだろう。
凪原を困らせるだけじゃなくて、凪原のくれる言葉も私の心を動かす。
『私は、凪原を信じてみる。』
凪原の胸におでこをつけて目を閉じた。
練習着もやはりあの優しい柔軟剤の匂い
凪原はそんな私の背中をとんとんっと大きな手でさすった
「もしも、有明がそうする中で罪悪感を抱くなら、俺がそれを忘れさせる。
有明を苦しめるものはちゃんと取り除いてあげる。」
知らなかった
凪原がこんなにも優しくて、温かいなんて
彼の心は氷のように冷たいと思っていたけど
本当に凍えていたのは私の方だった
すっと心が溶けていく
自由になれた気がした
