「…有明。言っただろ。
いじめを完全になくすことはできない。
1人が声をあげていじめがなくなるのは本の中だけの話だ。それをすれば有明が居場所を失う。現実は綺麗事だけじゃ生きてはいけない。」
切れ長の目をスッと細めて凪原が私を見つめる
「みんなが仲良しなんてのは無理だ、誰かの犠牲の上に誰かの幸せがある。
だから、有明は自分が幸せになることを考えろ。有明は今まで他人のことで一杯だったろ。俺はもっとお前は、自分を大切にしていいと思う。
そんな風に感情を押さえつけるのも今日で終わり。もっと自由になっていんだよ有明は。」
凪原が言ってることを自分勝手だと思う人がいるかもしれない
でも、私にはどんな綺麗事よりも100倍マシに聞こえた
凪原が言ってるのは全て事実だ
これが、人間で
これが、生きていくということなのかもしれない
何が正しくて何が正しくないかなんて、本当のところ誰も分からない
だったら私は凪原の与えてくれた道を信じてみてもいいと思えた
