『…離して』
低い声で言う
手首を掴む凪原の手を払いのけようと力を込める、でも凪原は私を離さない
しばらく抵抗していたが男子の力に勝てるわけなく、凪原の腕の中でもがくことを
諦める
『…きっと滑稽でしょう。』
抵抗をやめて、すぐ後ろの凪原に言い捨てる
『私のことずっと笑ってたんだ。』
「なんで? なんで俺が有明を笑うわけ?」
怪訝そうな声音が後ろから聞こえる
『私が偽善者だからっ!!!』
大きな声で怒鳴った
こんなに怒りをぶつけたのはいつ以来だろう
なのにそんな私に凪原は驚いてもいない
どうして、どうして動揺しないの
普段めったに他人に感情を見せたことなんてなかったのに
もうわけが分からない
