冷めぬ興奮を抑えながら保健室を出ようとドアに手をかける。
ガラッとドアを開けて、下駄箱の私宛のくだらないラブレターを、朝陽の下駄箱のラブレターの束に押し込んで、家に帰って、明日の予習をして、弟にご飯を作って、洗濯して、お風呂に入って、寝る
…という計画のはずだった。
ドアにかけた手の上に指の長い綺麗な手が重なるやいなや後ろからいきなり手首を引かれた
優しいけど有無を言わせない力が私を後ろにクイッと引っ張った
予想していなかったことに私の体は素直に後ろに引かれる
あまりにも勢いづいたので倒れこみそうになり反射的に目を閉じると、トンっと背中が何かに受け止められた。
手首は握られたまま。
逃げないように用心したのかもう片方の手は私をがっちりホールドして離さない
西陽が床に2つ重なった影を映し出す。
