彼は無感情なんかじゃない。
本当は凪原は中川なんかよりも感情が豊かで、その色彩は複雑で美しい
ただ不器用なだけ
せっかく綺麗な色を持っているのに、なにをどう描いていいのか分からないでいる
だからいつもワントーン
そんなのもったいない
だから私は凪原の色を引き出すのが楽しいんだ
私は凪原の無地のキャンバスが色んな色で染まるのを見たい
きっとそれは凪原の完璧の仮面が剥がれ落ちることと同じ
それが混ざり混ざってどんな汚い色になったとしても、それはそれで私は綺麗だと思う
なんたって私の感性は歪んでる
今の凪原は何色なんだろう
今の私は何色なんだろう
