凪原の薄い唇の感覚 私と彼の距離は0になる どんなに自分が馬鹿なことをしてるか そんなの分かりたくもない 凪原の穏やかな湖のような心を、私は棒でかき回すようにその水面を揺らしてめちゃくちゃにしてみたい 凪原が抑えていたもうほとんど溶けて水の状態の氷嚢が床に滑り落ちる音が聞こえた そっと凪原から唇を離して、立ち上がり凪原の方を振り向きもせずに歩き出す