「何?」
眉を寄せて怪訝そうに笑った私を見る。
『他人の性格を見抜くのは結構得意な方だと思ってたけど、凪原君は別みたい』
「俺のことどう思ってたわけ?」
先ほどのように氷嚢が動かないよう抑えてくれながら興味深そうに凪原が聞く
開いた窓から入ってくるまだ春らしさを残した穏やかな風が私と凪原の髪を揺らす
『他人にあまり自分から干渉したくない人だと思ってた。』
風が相変わらず髪を揺らすため、凪原の表情があまり読めない
『でも少し間違ってたみたい。』
彼の方に手を伸ばし、目にかかった髪にそっと触れる
彼の澄んだ瞳があらわれてそんな私を映しだす。
『多分、凪原君は人1倍他人の気持ちや反応に敏感な人なんだと思う。』
彼の澄んだ黒い瞳が揺れる。
