そっけなく窓の方に目をやりながら言う。
泣いたのは痛かったからじゃない。
凪原を動揺させたいための演技だ。
それでも彼に泣き顔を見せることに抵抗はなかった。
これは本当。
「 ずれてる 」
氷嚢の位置を調節しながら凪原はベッドに腰かけている私の隣に座った
でもその手が少し震えているのを私は見逃さなかった
私の意外な一言に動揺してる
ふふっと思わず笑ってしまった。凪原はもっと他人に興味のない人だと思っていたから。
私の一言や表情に対する動揺が隠しきれていないところが今までの彼のイメージと合わずなんだかおかしかった。
