「はぁぁあ?! お人好し過ぎるって咲希は! 咲希の賢い頭が馬鹿になっちゃったらどうすんのよっ」
朝陽が私の肩を両手で掴んでぐらぐら揺するものだから氷嚢が頭から滑り落ちてしまった。
「ちょ、朝陽!!余計悪くなるから!」
美帆が私から朝陽を引き離してくれた。
落ちてしまった氷嚢を拾おうとすると、すっと今日の朝のように手が伸びてきて、そっと優しく私の頭に乗せてくれた。
『…ありがとう』
先程の動揺は収まったらしく、いつもの無表情を取り戻した凪原が落ちないように氷嚢を抑えてくれた。
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