｢じゃあ…」
菜々が笑みを浮かべたまま、教室をぐるりと見渡す
教室の空気が緊張しているのが伝わってくる
しばらく動き回っていた彼女の視線がある１点で止まる
ご愁傷様 としか言いようがない
｢次のターゲットは、河口さんね？」
｢えっ！！ な、なんでどうして
わ、わたしなにもしてない！どうして！」
下のカーストの中でもいわゆる地味ーずの部類に入る河口さん 。下の名前は知らない。
傷みの強い針金のような黒髪を後ろで無理やり結んだため長さの足りない毛がところどころ出ている 。
ニキビだらけで鼻の下に産毛を生やしたままの顔は可愛いとは言い難い
幼児体型を震わせながら自分がターゲットに選ばれたことを信じられないでいるらしい
