「菜々って本当に中川のこと好きだよねー」
それは何気ない、いつものお昼休み
朝陽が弁当だけでは足りないと、おそらく女の子からもらっただろう手作りのクッキーをかじりながら言った
「え、え、そうかなぁ」
朝陽の何気ない一言に菜々が頬を紅潮させて動揺する
ここだけ切り取れば恋する純粋な可愛い女の子のできあがりだ
「だって、今もほら中川の方ばっか見てたよ
うちらが気づかないとでも?」
朝陽がクッキーを食べる手を止めずに菜々に追い打ちをかける
「まあ、私は同い年には興味ないけど
中川は確かに優良物件よねー 顔よし、運動神経よし、おまけに人気者だし」
頬杖をつきながら美帆が冗談めかして中川のいいところを上げていく
「確かに!奏人はかっこいいしサッカー上手いし人気だけど! それだけじゃないから!
すごく優しくて、ああ見えてすごく気をつかってくれるし桜井君みたいに女の子泣かせたりなんてしないもん!」
窒息するんじゃないかってくらい一気にまくし立てる菜々は、きっと本心で言ってるんだろうなーと思うとなんだか可愛かった
…でも、そんなの所詮美帆が言った条件がない状態で中川に会っていたならば菜々は中川を好きにならなかったに違いない
菜々の言う優しさなんて、地位と名声のあとについてくるおまけにすぎない
『人を好きになるってどういう気分?』
「咲希がそんなこと聞くなんて珍しい!
あのね! 胸が苦しくてその人が他の子と喋ってると切なくなったり、もっとその人と一緒にいたいって思うの!それでね!…」
菜々の力説はずっと続いた
美帆と朝陽が私を少し非難するように苦笑いする
それは何気ない、いつものお昼休み
朝陽が弁当だけでは足りないと、おそらく女の子からもらっただろう手作りのクッキーをかじりながら言った
「え、え、そうかなぁ」
朝陽の何気ない一言に菜々が頬を紅潮させて動揺する
ここだけ切り取れば恋する純粋な可愛い女の子のできあがりだ
「だって、今もほら中川の方ばっか見てたよ
うちらが気づかないとでも?」
朝陽がクッキーを食べる手を止めずに菜々に追い打ちをかける
「まあ、私は同い年には興味ないけど
中川は確かに優良物件よねー 顔よし、運動神経よし、おまけに人気者だし」
頬杖をつきながら美帆が冗談めかして中川のいいところを上げていく
「確かに!奏人はかっこいいしサッカー上手いし人気だけど! それだけじゃないから!
すごく優しくて、ああ見えてすごく気をつかってくれるし桜井君みたいに女の子泣かせたりなんてしないもん!」
窒息するんじゃないかってくらい一気にまくし立てる菜々は、きっと本心で言ってるんだろうなーと思うとなんだか可愛かった
…でも、そんなの所詮美帆が言った条件がない状態で中川に会っていたならば菜々は中川を好きにならなかったに違いない
菜々の言う優しさなんて、地位と名声のあとについてくるおまけにすぎない
『人を好きになるってどういう気分?』
「咲希がそんなこと聞くなんて珍しい!
あのね! 胸が苦しくてその人が他の子と喋ってると切なくなったり、もっとその人と一緒にいたいって思うの!それでね!…」
菜々の力説はずっと続いた
美帆と朝陽が私を少し非難するように苦笑いする
