黙ってジュースを飲んでみんなの話を聞いていた私の手を桜井がとる

私と桜井なんてあまりにありえない組み合わせに思いっきり飲んでいたジュースにむせる

｢ちょっと！ 桜井ったら咲希をからかわないでよ 咲希はそういうの疎いんだから」

長身の朝陽が私を庇うようにして桜井を制す 菜々がむせた私の背中を心配そうにさする

｢それに、咲希には凪原君がいるもんー」

菜々の一言に美帆や中川、三宅までがつられて意味ありげに笑いながら私を見る

話題の中心にされるのは苦手だ 呆れた表情を浮かべてみんなの視線を払う

｢そうかー 司には敵わないな 有明ちゃんごめんね？」

桜井までもが冗談めかして私に謝る

本当にどこから私と凪原という組合せに彼らの思考が至るのだろうか

これは彼らの余興の一端で、私と凪原の気持ちがあるないは関係ない

いつもならそう思ってこの遊びに口を挟まない。 大げさに否定に出れば、彼らは興ざめするに違いない。なんたってこれは余興なのだから。

でも、今日の凪原とのやり取りを思い出しため、こう言われると、やましい事はないのに動揺してしまう