黒板にチョークがぶつかる音が心地いい
凪原の手は迷うことなくリズムを刻む
窓からの光が薄く黒板を照らすので凪原と自分の影が黒板に映し出されて影絵のように動くのが面白い
ふと視線を感じたので見上げると、凪原がこっちを見て一瞬だけ薄く笑うとすぐまたいつもの無表情に戻った。
なんのつもりか、動揺を見せるのは悔しいので素知らぬふりで席に戻る。
でも内心、眠気がふっとぶほど彼の笑みの理由が気になっていた。
席に戻った凪原の背中を見る。
でも分からない。彼の背中は何も教えてはくれない
…本当に彼は訳が分からない
河口さんは帰ってこないし、凪原は笑うし、
みんなが私の気持ちを騒がせる
とんだ1日だ
そしてこの後の私はもっとついていなかった