色とりどりの火花が次々と空に花を咲かせては、散り、また咲かせては散っていくのが、彼の肩越しに見える。
『…綺麗。』
人の感情もまた、こうして生まれては消え、また新たに生まれては消えていくのだろうか
そうして人は、新たな感情と向き合い、思いを深めていくのかもしれない。
散った感情は、完全に消えてしまうわけではない。
そうならないように、私達は互いに何度も確かめあって新しい想いを重ねていくんだ。
触れられた唇が、まだ熱を持っていて熱い。
何度も何度も確かめ合うように、唇を重ねた
まるで、今まですれ違って傷つけあった互いの傷を癒やし、埋め合わせるかのように、何度も何度も。
凪原が優しく触れるたびに、もう死んでもいいやと思うほど胸がいっぱいになった。
名残惜しかったが、しばらくしてそっと離れて互いの瞳を見つめあう。
その澄んだ瞳に、先ほどまで何度も唇を重ねたことを思うと恥ずかしくて、見ていられなくなりぱっとそらしてしまった。
そんな私を見て、凪原はくすりと笑い、優しくぽんぽんっと頭を撫でてくれた。
その時、静かな境内に凪原の携帯の着信音が鳴り響き、思わずびくっとしてしまった。