凪原は私を試している


『私は…』

口が勝手に動く。 誘導尋問もいいところだ

凪原は分かってる。 分かってるのに聞いている

でも私の口は止まらない





『私は、 凪原君が恐い』







私の一言に驚くこともなく、予想していた通りの言葉が私から返ってきたことに彼は満足そうに笑う


「…そ。

有明って普通じゃないよな」


拾い終わったゴミをいれたゴミ箱を私の手から奪って元の場所に戻しに行く


『どういう意味?』
彼の背中を見ながら聞く。

恐い。彼が振り向いて何を言うのかが恐い


でも知りたい、 恐いだけじゃなくて私は今彼を知りたい