『…私、
凪原君のこと
…もうずっと前から信じていたんだね。』
悠に向かってゆっくり微笑んだ。悠のビー玉のような瞳が肯定するかのようにキラッと輝いた。
「大丈夫。 どんな結果になっても、僕はお姉ちゃんの味方だから。
だから、 相手を傷つけること、自分が傷つくことを怖がってちゃだめだよ。
…凪原先輩を信じているならね。」
『…ありがとう、悠。
私、大切なことを思い出せたみたい。』
おもむろに立ち上がった私を悠がひらひらとパラソルの下で手を振って見送ってくれた。
さぁっと吹き抜けた風に目を閉じて、感覚を研ぎ澄ます。
そして、そっと瞼を開いたとき、そこにはちゃんと新しい私がいた。