悪魔失格 – スクールカースト –


あの時、山ちゃんこと山下先生に頼まれて、クラスが解散した後も雑用をこなしていた。


リズミカルにパチンパチンとプリントの右端をホッチキスで留めていたところ、ヤツからの電話がかかってきた。


『…もしもし。』

「…あ!咲希? 今日の部活オフになったから、ひさびさに2人で美味しいもの食べに行こうよ〜
…ってことで、咲希の学校に迎えに行くね
…というか、もう着いてる じゃあ、早く降りてきてね」


こちらの返答も聞かず、一方的に用件だけを話すと勝手に電話が切られた。


そんな相手にため息をつきながら、挟み終えた雑用のプリントの枚数を確認していると、外が少し騒がしいような気がして窓越しにそっと校庭の方を覗き見ると、校門の方に人だかりができていた。


…まさかね、確かにあいつの見た目は目立つけど、そのまさかね、そう思いながら荷物をまとめて職員室にプリント束を提出しに向かおうとすると、息を切らせながらいつもの3人が教室に駆け込んできた。


『…どうしたの。』

高2もなって追いかけっこでもしているのかと呆れていたら、菜々がいきなり私に飛びついてきた。


「…咲希っ! ごめんなさい!まさかこんなことになるなんて…!」

訳がわからなくて、困っていると言葉足らずの菜々の話を補うように美帆が説明をしてくれる。





『…つまり、最近の私の様子を聞かれて、凪原君のことをあいつに話してしまったってこと…?』

話を聞き終えて、ものすごく嫌な予感がした


思わず、もう一度窓の外を見つめる。そんな私の考えを裏付けるようにジャージ姿の朝陽が言った。


「それでね、今日はバレー部は外で練習やってるんだけど…、見ちゃったんだよね…





凪原達と









咲希の弟が話してるの






…ちなみに、それ現在進行形。」



菜々が何かを言いかけたがそれを最後まで聞かずに、山ちゃんのプリントを朝陽に押し付けて私は校門の方へ全速力で走り出していた。