三宅の言うことは正しい。
最近の俺は、とことん機嫌が良くない。
原因は、もちろん有明。
許してほしい、それだけ言い放った有明の真意がよく分からなくて、彼女が俺に何の許しを請うているのか知りたいだけなのに、あの日以来、有明は頑として俺を避け続けている
そして、それ以来、彼女のカーストやいじめに対する態度も変わってしまったように思う
河口の席を見つめるその瞳はなにか吹っ切れたような、諦めたようなそんな暗さを帯びるようになっていた。
新しいターゲットが決められるときに浮かべたあの笑みも、もう以前の有明のものではなかった。
有明は俺のいる世界と河口のいる世界のどちらを選ぶだろうか。
避けられている今でも、有明がこちら側の世界を選ぶことを望んでいる。
有明に嫌われても、彼女の無惨な姿を見るくらいなら、同じ悪に身を堕としてくれることを祈り続ける自分の気持ちは変わらないだろう。
そんな強がりとは裏腹に自分を見た瞬間に、目をそらして宮下達と一緒にいても1人だけ別の方向へ去っていく有明の行動が辛かった。
早く仲直りしなさいよね、と青井に言われたけど、有明が一体どういう意図を持って自分を避けるのかが分からない限り、仲直りには程遠いと思った。
そもそも、仲直りという言葉が適切なのかも分からない。この状態を喧嘩と呼ぶのだろうか。
しかし、有明に突き放されることがこんなにも自分にとって大きな衝撃を与えるなんて、それほどまでに有明の存在が自分の多くを占めていたことに今更ながら気づかされる。
有明のことを考え出すと、目の前のことが手につかないほど胸がいっぱいになって、苦しかった。
初めてのこの感覚にどうしていいか分からず、ここ数日はずっと気持ちが晴れないでいる。
これが俗に言う恋心ならば、今の状況からすると自分にはあまりにも見込みがなさすぎて泣けてくる。
有明は、俺など眼中にないと、これほどまでに分かりきったことなんてあるだろうか。
