『なんで…。まさか、ずっと?』
そっと振り返ったその先にはもう行ってしまったとばかり思っていた彼がいて、頬杖をついたまま静かな寝息を立てて眠っていた。
携帯のディスプレイに表示された時刻から遡ってかれこれ2時間は経過している。あれから私が起きるまで待ってくれていたのだろうか。
カーテンの隙間から差す夕暮れの光が彼の髪をきらきらと照らしている。
穏やかな寝息を立てて眠る彼は、なにも知らない無垢な子どものような顔をしていた。
彼の優しさに、胸が苦しくて切なくなる。
胸に手を当てて必死に抑えようとしてみても、一層増すばかりでなんの解決にもならない
『凪原君なんて…、凪原君なんて…。』
大嫌いだ、と言ってしまいたかった。
でも、そんな言葉は自分の気持ちを抑えるにはもうなんの役にも立たないことも、自分がそんな言葉を言えるはずもないということも分かっていた。
彼のさらりとした黒髪をそっと撫でる。
起きてしまうかと思ったが、長いまつ毛を少し震わせただけで相変わらず静かに寝息を立てていた。
『…いつもごめんね。』
眠っている間に、言いたいことを言うなんて自分はずるい奴だなと思いながらも、言葉を続けた。
子どものような彼の寝顔を見ていたら、どんなことも許されるような気がした。
『…凪原君の優しさに甘えてばかりいる私を、純粋な凪原君の心を翻弄することを楽しんでいる私を、
そしてなにより…
凪原君に惹かれてしまった私を
どうか許して…。』
そっと振り返ったその先にはもう行ってしまったとばかり思っていた彼がいて、頬杖をついたまま静かな寝息を立てて眠っていた。
携帯のディスプレイに表示された時刻から遡ってかれこれ2時間は経過している。あれから私が起きるまで待ってくれていたのだろうか。
カーテンの隙間から差す夕暮れの光が彼の髪をきらきらと照らしている。
穏やかな寝息を立てて眠る彼は、なにも知らない無垢な子どものような顔をしていた。
彼の優しさに、胸が苦しくて切なくなる。
胸に手を当てて必死に抑えようとしてみても、一層増すばかりでなんの解決にもならない
『凪原君なんて…、凪原君なんて…。』
大嫌いだ、と言ってしまいたかった。
でも、そんな言葉は自分の気持ちを抑えるにはもうなんの役にも立たないことも、自分がそんな言葉を言えるはずもないということも分かっていた。
彼のさらりとした黒髪をそっと撫でる。
起きてしまうかと思ったが、長いまつ毛を少し震わせただけで相変わらず静かに寝息を立てていた。
『…いつもごめんね。』
眠っている間に、言いたいことを言うなんて自分はずるい奴だなと思いながらも、言葉を続けた。
子どものような彼の寝顔を見ていたら、どんなことも許されるような気がした。
『…凪原君の優しさに甘えてばかりいる私を、純粋な凪原君の心を翻弄することを楽しんでいる私を、
そしてなにより…
凪原君に惹かれてしまった私を
どうか許して…。』
