「…だったら、お前は最低だと思うかもしれないけど、
それでも俺は…
お前が悪魔になってくれることを願う」
驚いたように目を見張る有明の頬にそっと手を当てて言った。
「…ごめん。
俺はもうとっくにこっち側にいるんだ。
有明を敵に回したくない。
…だから、有明にはこれ以外他には、選択肢を与えない」
鋭い西陽に照らされる自分の顔は、今有明にどのように見えているだろう。
悪魔はもうずっと前から、君の前にいて
優しく手を差し伸べるふりをして
本当は他の誰よりも、
君を悪へと誘い出していた
君の罪悪感を拭うことも、
一緒に悪に身を堕とすことも、
いとわない。
「はっきり言うよ。
…有明は最後にはきっと悪魔になる』