魅せられている、
彼のふと見せる仕草や表情の1つ1つに。
だめだと頭で分かっていても、気持ちは止まらない。
私は、凪原に何を期待しているのだろう。
彼にとって、私はただカーストにおける矛盾に悩む同志に過ぎない。
この間の保健室でのキスだって、凪原のとっさの思いつきのようなものであって、それ以上の特別な意味なんてない。
私だって、同じではないか。凪原の感情をかき回すのが楽しくて、その1つとしてキスをしたに過ぎないのに。
今更、彼に何を期待することがあるだろう。
凪原に所詮、私も他の女子達と同じなんだと見限られるのが嫌だと思った。
今ならまだ間に合うから、だから気づいてはいけない、その思いを認めてはいけない。
自分の中のもやもやとした思いを振り切るように、緩められた凪原の腕からすり抜けて立ち上がり、乾燥機の方へ向かう。
そんな私を少し不思議そうに見つめている凪原。
