「廊下中に響き渡るから、朝陽が大体どのへんにいるのかなんて丸わかりよ〜」

更衣室のロッカーから着替えを取り出しながら、くすくすと菜々が朝陽に笑いかける。




朝陽がなーんだと、面白くなさそうに唇を尖らせて他に何か面白いものはないかと辺りを見渡して、私の手に持っているものに視線を止めて、にっこり笑った。

朝陽がこういう表情を見せるときは、たいてい厄介なことが多いとみんな知っているから、美帆や菜々が哀れむような目で私を見る。



手に持っているものをとっさに隠したがもう遅く、すらりとした長身の朝陽にいとも簡単に奪われてしまった。