更衣室で着替えている時、小声で下級女子仲間の前田瑞穂にさっきの事を愚痴った。本当に小声で。
「そっか…恋桃ちゃんのチームは最悪だね…」
「うん…辛いよ」
瑞穂も時折似たような事をされていて、その度にこうして励ましあっている。友達というほど仲がいいわけでもないけど。
着替え終わって、教室に戻ると、梓達はいつものカオに戻っていた。
私も何事も無かったかのように席につき、次の授業の用意をした。
ほんと怖いな。
まあ、教室では感情を押し殺して普通に接しちゃう私も私だけど。

キーンコーンカーンコーン…
チャイムが鳴り、理科教師の倉田先生が入ってきた。
「よし、始めるぞー!学級委員、挨拶ッ!」
始めの挨拶は和樹がやるはずだがいないので、梓が代わりに立ち上がった。
「起立!気をつけ!今から2時間目の授業を始めます。お願いします」
お願いしまーす、と皆が後に続く。