家に帰り、ベッドに寝転びスマホでゲームをしていると、ピロリン♪と通知が来た。LINEだ。
私は、後で見ようとゲームを再開した。が、その直後、一気に大量の通知が来た。ピロピロうるさい。
私は仕方なくLINEを立ち上げた。
大量の通知は、2年B組の大半の人が入っている、クラスグループだった。
皆が同時に会話しているので通知が鳴り止まない。
話題は勿論、今日の事件のことだった。
ピロリン♪
またきたか。
トーク画面を表示させる。
希望からだった。
『のん♥︰ねーねー、ウチのママがママ友から聞いた噂なんだけどさー、梓ちゃんあの後病院行って、そこで嘔吐したんだって。で、それを見たお医者さんがおかしいぞって思ったみたいで、怪我の手当てをした後、任意で検査したら、体内からなんか毒薬?みたいなのが検出されたんだって。その毒薬みたいなのはね、フツーは危ないから飲んじゃダメなんだけど、もし飲んじゃった場合は、その少しあとに、激しい頭痛と吐き気、手足の麻痺に襲われちゃうんだって!ヤバくないッ?!でね、ちなみになんだけど、その毒薬は一般の人は手に入らないものなんだとさ!医療関係者か研究者、理科系の教授でもないと無理らしいよ…長文ごめんね!』
おお、新情報…!
梓ちゃん、大丈夫なのかな…?
今の希望の情報に対し、皆から続々と返信が来る。
『Saki︰マジでー?ヤバッ!』
『亜美✌️︰アズは大丈夫なの???』
『俊哉︰しらねー』
皆こんな事言ってるけど、本心では私じゃなくて良かったとか他人事のように考えてる人がほとんどなんだろうな、とさっきの言い争いを思い出しながら考える。
その間も、皆の会話は止まらない。
『亜美✌️︰あ!だから先生事件性があるって言ったのか!』
『りょーへい︰あーなるほどな。あんだけで事件とかおかしいと思ったんだよねー。でも犯人誰なんだろね』
いつの間にか、犯人の推理ごっこになってるし。
『しおり︰のんちゃんの情報が真実だとすると、犯人はそーゆー関係の人ってことになるよね』
『俊哉︰だな。でも、西村に怨みを抱くような近い関係の人でそういう人いる?』
『ちづ☆︰確か梓ちゃんのお父さんが医者じゃなかったっけ?もしかしてお父さんの仕事の関係でなんかトラブルがあったとか、、』
『Saki︰それな!今千鶴と同じことおもった!!』
…私は違う気がする。
そう思って、私もこの会話に参戦した。
『恋桃︰んー…私は違う気がするなあ。なんとなくだけど、犯人はこのクラスの誰かだと思う。なんか、手口的に、このクラスを遠まわしに崩壊させようとしてる気がして。』
『亜美✌️︰うわー余計わかんなくなってきた!』
『りょーへい︰それなー、、ところでさ、こないだのモノマネの番組見たー?』
『俊哉︰見た見た!クッソおもろかったwww』
…話変わってるし。
皆飽きるの早すぎでしょ。
私はスマホの電源を切り、夕飯まで少し寝ることにした。
今日は精神的に凄く疲れた。