私は、2年前、響也が私の専属執事になった日から、あの夢を見るようになった。


毎日毎日、その夢だった。


1組の男女が、手を繋いでいる。


まわりから見れば、幸せそうだ。


だけど、その顔はどこか、とても寂しそうだった。


そんな夢。


私には、誰にも言ったことがない、秘密がある。


恋をしているという事だ。


将来は、親の決めた相手と結婚しないといけない。


だから、恋愛は時間の無駄だと思っていた。


だけど、私は好きな人がいる。


その人は、響也だ。


お嬢様と執事……


何とも言えない関係だ。


その関係が、どう思われるかは分からない。


けど、お父様とお母様は認めないと思う。