離婚前提策略婚。【改訂版】

「ちょっといい加減にしてよ!離して!」


店の皆が見えなくなっても、そのまま止まらず歩き続けるこいつに怒りは絶頂。外だということも忘れ叫んでしまう。


「なんでだよ。新婚なんだからこれくらい普通だろ」


立ち止まりわたしを見ながら飄々としているこいつ。

精神科に連れて行きたいと心から思った。


「なにが新婚よ!ふざけすぎ!わたしをからかってるつもりなんだろうけど、あんな馬鹿みたいな冗談、本気にしないから!」

「からかってるわけじゃねぇよ。新婚ごっこも面白いだろ」

「は?!くそも面白くなんかない!」

「…すげぇ言葉遣いだな」

「あんたが相手だからね!」

「俺に嫌いって言われたこと、そんなにショック?」

「──え?」

「だからそんなに俺を拒絶しようとするんだろ」


いや、あんたに言われたからも何も、わたし自身あんたが嫌いなんですけど。

なんだってこうこいつって自分に有利な考えにするんだろう。自意識過剰も度が過ぎてる。


「別にあんたに嫌われていようとどうでもいい。どうせ離婚するんだから新婚ごっことかもいらない」