離婚前提策略婚。【改訂版】

「すまない。本当に。華乃にばかり頼ってしまって」

「華乃、ごめんね」

「華乃姉、お願い。お父さんリストラされたら、あたし高校行けない」

「華乃ちゃん、嫌なら断っていいのよ」

「お姉ちゃん…」

「お父さんがリストラされてもあたしが働いてるからどうとでもなるから。夜勤続ければお父さんと同じくらいの収入が貰えるかもだし」


お姉ちゃんは先月から看護師の仕事を再開していた。

でもさすがにお父さんと同じくらいの収入は厳しいって…。


相変わらずお姉ちゃんはわたしの味方なんだね。

なんかもうそれだけでいいって思えるわ。


「結婚するかは今決められないけど、会うだけ会ってみようかな。向こうだってわたしを気に入るかわからないし」

「華乃…」


もしかしたら、龍成の時みたいに出逢いが最悪でも変わるかもしれない。

そうなれば家族を救えるし、わたしだって龍成を完全に忘れられることが出来るかも。


そうなることを少しだけ期待していた。