「麻友ちゃん、お疲れ」

「龍成!ど、どうして…」


いい歳こいて息子の顔見ただけで涙目とかウケんだけど。どんだけ可愛いんだよ。


「麻友ちゃん、折り入って頼みがあるんだ」

「どういうこと?ねぇ、あなた戻って来ないの?」

「もうそれは親父と話したから。それより──」




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やっと何かから解放された。


つまらなくて窮屈で、何も見いだせなかった日々。

それは自分でそう思い込んでいただけで、実際は俺を縛るものなんてなかった。


『ただ楽しく生きていたい。』


あのままでいたら、浅はかで空っぽな、とるに足らない人生を送って終わっていた。


俺の人生はこんなにも意味のあるものだと教えてくれたお前を、今度こそ俺が幸せにする。


これ以上にない愛を、お前だけに捧げる。