離婚前提策略婚。【改訂版】

『お前が今どこでどうしているかなど興味がない。ただ、お前を次期社長として待っている人間はたくさんいる。お前が思う以上に』


いつものように表情一つ崩さず、真顔で淡々と話す親父。この人は一生こうなんだろうな。


『週刊誌に載らない現状には非常に満足しているが、嫌でもお前の噂は耳に入ってくる。くだらないことは止めて早々に戻ってこい。仕事をしっかり堅実にするのなら、何のお咎めもなく以前のように勉強させてやる』   

「なんてヤツだ。何から何まで上から目線」

「お前の親父、変わらなすぎだろ」


失笑もいいとこだよ。

戻ってきてほしいって懇願されてるようなもんじゃねぇか。馬鹿だな、くそ親父。

俺が素直じゃないのは確実に親父譲りだ。


『会長がお前にしか継がせんと仰っている。これもまた厄介な話だ。取引先の社長も皆お前の話ばかりだ。どうしてくれる。責任を取れ』

「ぶっ。何言ってやがる。俺のせいにすんな」

「充分お前の責任だろ」