「見なきゃいいでしょ。味わって食べられるからこれはこれで幸せよ」

「華乃ちゃん?いい加減にしないと」


はっ!またさっきみたく…!


「や!だって恥ずかしいもん!ほんとにいいか…んぐっ」


喋っている途中で口に突っ込まれた。なんてこったい。


「…」

「美味しい?」


満面の笑みの龍成。


餌付けでもしてるつもり?なんか楽しそうに見えるんだけど。


「…あといいから」

「お残しは許しません」

「お母さんですか?」

「怪我が治るまで色々世話してやるから感謝しろよ」

「はい?なによ色々って」

「身の回りの世話」

「別にいらない。そんな不自由じゃないもん」

「どう見ても不自由だろうが。店長が治るまで休んでいいって言ってだぞ」

「え?!ほんとに?!」

「嘘ついてどうするんだよ」

「どうしよう、明日契約するはずだったのに…」


やっぱりあの話はなかったことに…。


「契約はちゃんとするって。実際は来月からになるから、そんなに急いでないしゆっくり休めだと」

「えっ、店長が?」

「ん」