離婚前提策略婚。【改訂版】

「…え?」

「華乃一人だと病院に行かねぇから俺を呼んだんだよ!つべこべ言わず行くぞ!」

「やだ!病院は行かないっ!マンションに帰る!」


龍成に左手を引っ張られる。

頑として動かないわたし。


「…このやろ」


ちょっと!顔が怖いんですが!


「こんなの気合いで治すから!家に薬あったよね?!」

「…あるはず。──ったく、それならさっさと帰るぞ」

「う、うんっ!」


痛みが治まらず保冷剤をハンカチで包み、手に当てながら荷物を片付ける。

でも痛い。


「荷物はこれだけか?」

「うん」


大きめの鞄一つを、龍成は当たり前のように持ってくれる。


休憩室を出て店長に声をかけると、ちょうど健太が来た。軽く話して駐車場へ向かうと──。


「なにしてんの」

「なにって、それじゃ運転できないだろ。俺がする」


龍成が運転席に乗り込んでいる。


「運転出来るの?!」


ドアを掴み上から大声を出すわたし。


だって!運転できないと思ってたよ!


「普通に出来るっての」