「──っ!」


うわ…。お姉ちゃんの目、真っ赤だ…。


「…ごめんね。早まらないでって言われてたのに…」

「そんなことより大丈夫?…なわけないか…」


わたしはお姉ちゃんの隣に座った。


「酷い顔だよね。恥ずかしいな」

「そんな無理して笑わないでよ。わたしまで辛くなる」


わたしが泣きそうになってる場合じゃないってのに…。


「…ごめん…としか言えないな…」

「わたしに謝ることないでしょ。一体どうして…」

「……言葉の暴力、かな」

「言葉の暴力?」


聞いたことはあるけど具体的にはどういうものなのかあまりよく知らないな。


「最近、というか前からだったんだけど、彼の仕事があまりいい状態じゃなくなっていったの。それで結構ストレスが酷かったみたい」

「仕事のストレス…」

「元はとても優しい人なのよ?華乃ちゃんが言った通り、優しくて誠実で大切にしてくれて…。でも疲れたんだろうね。日に日にあたしに対して耳を塞ぎたくなるような言葉を投げつけるようになったの」