離婚前提策略婚。【改訂版】

「──っ、でも俺には…!」

「つーか昨日も忠告したはずだけど」

「…は?」


忘れたのかよ。この馬鹿。


思いきり至近距離に近づいた。


「俺の嫁に二度と近づくな。次あったら俺、本気で何するかわかんねぇから」


困るんだよ。これ以上華乃の心を乱されちゃ。

どこにマスコミがいるかわからない。…それ以前に、俺が気にくわない。

そう易々と俺の嫁に近づいてくれるな。ストレスが溜まる一方なんだ。


睨みつけ脅しを利かせた。もうこいつの相手はいいだろ。


背を向け店に向かい歩き出すと、


「…あいつを幸せに…。できれば俺みたく傷つけないでくれ。頼む」


力無く聞こえた言葉。


なんでそんなことお前に言われなきゃならねぇんだよ。


立ち止まり顔だけあいつに向ける。


「ふざけんな。お前に言われなくてもわかってるっつーの」


本当に馬鹿な男だな。お前が初めから誠実でいれば、華乃は俺と結婚なんてしなかった。後悔後先立たずってとこだ。


…このことを知れば、華乃はどんな反応をするだろう。さっき泣きながら辛く切り捨てたあいつの元へ、戻ろうとするのだろうか。


……それは俺的に全く面白くない。