離婚前提策略婚。【改訂版】

「そんなに金が欲しいなら俺がやろうか?」


──?


…あれ?この声、あいつの声じゃ…。


ふと顔を上げると、座っていたはずのあいつがいない。


なんで?


思わず振り向いた。


「…誰だよ」

「俺?神田龍成」


な、なんであいつが崇憲達の席についてるの?!それも怖いくらいの笑顔で…。ま、まさか知り合い?!


「知らねぇんだけど。誰か知り合い?」

「いや、知らねぇ」

「俺も」


男三人は不思議そうな顔をしてあいつを見ている。


「さっきからさ、胸くそ悪い会話ばっか聞こえんだよ。酒が不味くて仕方ねぇ」


わ!何言ってんの?!知り合いでもないのに!


「は?お前に関係ねぇだろ。勝手に人の会話聞いてんじゃねぇよ」


…これ、ケンカになりそうな空気じゃない?ていうかあいつ一体何がしたいの?


わたしがここにいるの、崇憲にバレる前に店から出たいのに…。