離婚前提策略婚。【改訂版】

────



「あ、そこ左。次の信号を過ぎたとこのマンション」


車の中、わたしの機嫌は最高潮に悪いというのにこいつは終始ご機嫌。

こいつの頭の中を覗けるなら、是が非でも見てみたいわ!


「ここ!?」

「だからそうだって」


何この無駄に豪華なマンションは!お城か!?


「1501号室だから最上階だな。最上階は一部屋しかないから」


カードキーを見ながらあいつはわたしに言った。

──って、最上階!?


「まさか1501って15階じゃないでしょ?」

「15階だな」

「無理!わたし高所恐怖症なの!そんなとこ住めない!」

「あ~、大丈夫だって。住めば都だろ」

「無理なものは無理!」

「地下に入って7番に停めて」

「聞けよ!」

「高所恐怖症~?頼もしい旦那様がいるんだから平気だって」

「頼もしい旦那様?誰のこと?」

「目の前にいるだろ」

「ホスト風情のチャラい男しか見当たらないけど」

「はあ?俺のどこがチャラいんだよ!」