「料亭『森香』(モリカ)だ。」

「へ〜流石だなぁ〜。」

森香は都市のほぼ真ん中にありそこだけが緑に囲まれてる、VIP御用達、一見様御断りの老舗。

「オヤジは行くのか?」

「母さんが心配だから残る、その代わり辰己(タツミ)頼んだ。」

「新垣(アラガキ)の叔父貴に?」

「あゝ。」

「苦手なんだよなぁ〜」

「そう言うな、後は潤哉に聞け、時間間に合うか?」とオヤジは柱時計を見た。

「今から出れば余裕です。」と潤哉は俺はトレンチコートを着せながら言った。

「あーオヤジ、俺ホテルからタクシーで直で来たら潤哉に送ってもらっていいか?」

「あゝ。」と冷めたコーヒーを飲んだ。

「じゃ行って来る。」とドアに手をかけ開けた。

「あゝ気おつけてな。」とオヤジは俺を椅子に座ったまま見送った。