最後に私を見て優しく微笑んでくれる雄くん。
「はーい、すみません!」
注意されてるのにニヤけてしまう私は、傍から見ればただのエムなんだろうな。
振り返り雄くんがバスに向かうから私もそれについて行く。
「由良?」
でも、由良が歩こうとしないから不思議に思い立ち止まって振り返る。
名前を呼ぶも私を見ていない。
まただ……。
一体、どこを見てるんだろう。
「由良!」
「おわっ」
「早く行くよ!」
「あ、あぁ」
少々強引に手を掴んで引っ張る。
さっきの怖い顔は何だろう……。
由良のどこか違う雰囲気に戸惑いながらも、修学旅行はあっという間に幕を閉じた。