私はただ突っ立って、由良を見つめることしかできなかった。
そんな私から目を逸らし、由良は私の横を通り過ぎて先に帰ってしまった。
由良の気配がなくなった時、その場に崩れるように座り込む。
そっと指で唇に触れてみる。
さっきの感触が、熱が確かに残ってる。
私、由良にキスされた……。
何で?
何でいきなりあんなことを。
怒ってやりたいはずだったのに、由良の表情を見たら何も言えなかった。
由良は何を考えてるの?
由良が分かんない。
私はただ、また話したいだけなのに。
由良の気持ちが全然分かんないよ……。