元気になった私の頭をもう一度撫でてくれる。


大きくて少しひんやりとしている雄くんの手は気持ちいい。




資料室の前の廊下に誰もいないことを確認してから、雄くんのあとに出る。





「じゃあね、堀名さん」


「はい、先生」



ふっと笑った雄くんは、私に背を向けて歩き出した。


誰にも内緒のイケナイ恋。

バレたら私が停学、下手したら退学で雄くんが辞職になるのは間違いない。


でも、私はそのリスクを負っても雄くんと一緒にいたいと思うんだ。




甘くて苦い私の日常は、それでも幸せに満ちている。