ボーっとしている私の頭を優しく撫でる。
そのまま髪を梳くように下におろす。
優しい雄くんの手にこのまま離れたくないと思ってしまう。
だけど、そういうわけにもいかないから。
「戻ろうか」
本当はもっと一緒にいたいけど、その気持ちを押し殺す。
「……うん」
「そんな寂しそうな顔しないでよ」
でも雄くんには私の強がりなんてバレバレで、俯きがちだった私のおでこにキスを落とす。
「今日、うちにおいで。
咲姫の手料理が食べたいな」
顔を上げれば、ふっと微笑んでくれる。
その笑顔に胸がキュンと音を立てる。
「うん!
おいしいものいっぱい作る!!」