由良がいるから雄くんのことをダラダラ引きずることもない。



でも、いまはなぜか由良といると苦しくなる。





「お前……チョコついてるぞ」


「はい?」


「ここ」




私の胸元を指さすからそこを見れば、けっこう目立つくらいにシミになっていた。



ギョッとしてシャツを掴む。






「え?え?」


「あ、やっぱ気づいてなかったんだ。
堂々としてるからわざとかと」


「早く言ってよばか!」


「だって気づかないほうがやばいだろ、な?」




由良が近くにいた明奈と隆ちゃんに同意を求める。