由良を見て頼むと、少しずつ掴んでいた手の力が弱まり離してくれた。


こんな弱い自分、誰にも見られたくない。

特に由良には。



いつも強気でいるのにこんな私を見られるのは嫌だ。




「分かった。ほっとく。
でも、どうしても無理なら俺のとこに来い」


「っっ……」



由良の真剣な、温かい言葉に返事をせずに走り出した。


何もかも振り切るように走って走って、息が乱れて苦しくても走り続けた。




私は終わらせたくない。


けど、終わるしか選択肢はないみたい。



納得なんてひとつもできていないのに……。