雄くんがかけた鍵を開け、部屋から飛び出す。


振り返らずに走る。




「堀名!?」



昇降口のところで由良が声をかけてきたけど、それを無視して走る。



「おい、待てよ!」


靴を履きかえて、校門のところまで来た時。


腕を掴まれ立ち止まる。




「お前、どうしたんだよ」


「……何でもないよ」


「泣いてんだろ」


「泣いてない。
ほっといて」


「ほっとけねぇよ」


「……お願いだから、いまだけ1人にさせて」