私もストローをさしてココアに口をつけたところで、由良の呟くような声が聞こえた。
距離が近かったこともあり、小さな声だけどかろうじて聞きとることができた。
驚いて由良を見つめると、儚げに薄く笑った。
「俺の前では無理すんな。
感情全部吐き出せ」
「……え?」
「そのあとはただ笑ってればいい。
約束な」
急に真剣味を帯びた声と表情。
たまに出る由良のこの感じは、私の心に深く割り込んでくるようでちょっとだけ怖い。
「分かったか?」
「……うん」
「よし」
私が頷くと、それを見た由良は眩しいほどの明るい笑顔になる。
「戻るか」
由良が歩き出したから、その隣を並んで歩いた、
雄くんには申し訳ないけど、由良はなんだかんだ良い友達だから関わらないのはきっとできないと思ってしまった。