魔法使いの素質ナシ?

佐倉先生が教室に入ってきたとき、手には2冊のノートを持っていた。

これが、さっき持ってくるといっていた指導要録らしかった。

「先生、使う教材ってこれだけですか?」

同じクラスメイトの1人が、机の上に『魔法歴史全集』と書かれた辞書並みの分厚さの教科書と、『魔法制作の努力』と書かれた薄い教材を机の上に出していた。

「授業で使うのは、魔法歴史全集だけです。
魔法制作の努力に関しては、授業では使わないので、自宅や寮で自主学習用として読んでくださいね。


それでは今から白い紙を1枚配ります。
そこに、自分が知っている限りの魔法歴史の生い立ちを書いてください。
教材をみたり、話し合うのはダメですよ?」


紙を配られると、ひとりひとりが知識を思い出しながら紙に写していった。

誰もが、この学園に入学する前に多かれ少なかれ魔法歴史については教わっていたが、やはり歴史という科目なので得意不得意が大きく分かれていた。

ある生徒は、殆ど書かないうちに制限時間がきてしまったり、またある生徒は魔法歴史と歴史が混ざり、書きながら困り果てていたりしていた。


「そろそろ、どうでしょうか?
それでは回収します

紙のどの部分でもいいので、名前を書いたら
前に提出してくださいね」