29日目のハッピーバースデイ




私は涙が止まらなくなった。



今まで、泣いちゃいけないって。



泣く資格なんかないって。



だけどそんなのは無理で。



堪えてきたものが一気に込み上げる。



『ありがとう』



それを書くだけで精一杯で。



ぺこりと頭を下げる。



「いえ。じゃあ俺は、失礼します。」



控えめにそれだけ言って、ドアが閉まる。



私はしばらく、そこに立ち尽くすしかなかった。