29日目のハッピーバースデイ




ゆうとくんの話によると、

病院に搬送されてから一時的に意識を取り戻した時、なぁちゃんが書いたと言うのだ。



家族も医師も反対する中、なぁちゃんは手を止めなかった。



震える手で、必死に、ボールペンを走らせて。



医師は、この状態でボールペンを握っていること自体が奇跡だ。あり得ない。

といった様子で見ていたそうだ。



そして最後になぁちゃんは笑った。



穏やかに、眠るように、息を引き取った。