29日目のハッピーバースデイ




昨日、なぁちゃんが、お空に行った。



手の届かない、遠い遠い場所に。



それはあまりにも突然で。



今でもまだ信じられなくて。



信じたくなくて。



どうしても、受け入れたくなくて。



後悔と罪悪感で押し潰されそうになる。




きっとこれは、罰なんだ。



私の欲望にまみれたこの心が、この声が、なぁちゃんを傷つけたから。



なぁちゃんの命を奪ったから。



だから神様は、私の声を消した。



いや、消してくれたのかもしれない。



私のこの声が、もう二度と誰かを傷つけることがないように。



きっと、そうなんだ。



だってこれでもう、誰も傷つけずに済む。



いっそ、私の心も消してくれればよかったのに。


そうすれば私利私欲に走ることもなくなるのに。



だけどこんなのは、ただの我儘だよね。