未来から会いに来たオレの子だ!

そう思うと、どんどん愛しさが増してくる。

なんだ、この可愛い生き物は?

「亜南?お前は未来から来たのか?」

目を合わせて聞いてみる。

「未来…?ってなぁに?」

首を傾げる姿が雪杏とダブって見える。

やべぇ、マジ可愛い。

てか、未来…って、どう説明すりゃいんだ?

わかんねぇから、話題を変える。

「亜南はパパのこと、あーパパって呼んでんのか?」

「うんっ。だって、ボクと同じ文字が入ってて嬉しいからね。あっ、でもあーパパは一人じゃないよ?ねぇ、あーパパボク降りる。」

一人じゃない?

訳がわかんねぇ。

亜南をゆっくり下に降ろす。

手を離した瞬間。

すごい桜吹雪が舞い、オレの視界を遮断する。

なんだ、この春風?!

「あーパパ、またね。」

小さくそう聞こえた気がした。

と、そこにもう亜南はいなかった。

夢か…?

「若っ?!亜南は?!」

珠吏の焦る声がする。

「いねぇ…夢だったのか?」