『旭日?とりあえず私帰るよ。』

「送る。」

『いや、大丈夫よ。仕事でここに来たんでしょ。』

「駄目だ。」

旭日って意外と頑固ね。

「オレが連れて帰るから、お前は気にするな。じゃあな。」

そう言って、私の手を引いて歩き出すあーくん。

早すぎて何も言えないまま、引きづられていく私。

『ちょ、待ってっ!』

かろうじて言えたのはそれだけ。

恐い顔のあーくんは速度を緩めないまま、私を見ずに早歩き。

私はリーチの差でもうほとんど走ってます。

後ろから昴と炎もついてきてる。

てか、咲里は?!

『あーくん!私の友達!置いてきた!』

焦って手をグイグイ引っ張ってると。

「雪杏~頑張って!また明日~!」

後ろからそんな咲里の声が聞こえた。

「雪杏、話がある。このまま一緒にいてくれ。」

前を向いたまま、真剣なあーくんの横顔が見えて。

なんだか何にも言えなかった。